新緑に包まれた山へハイキングに出かけた。残念ながらホトトギスのさえずりは聞くことができなかったが、ウグイスや他の鳥のさえずりを方々で楽しむことができた、いい鳴き声だった。鳥の正体をちゃんと調べて知りたいものだ。
「ウグイス」と打鍵して、「鶯」と変換された。もう30年以上も前のこと、国語審議会で、デジタル処理時代となって漢字の字体をどう制定するのかという検討が(確か)なされていて、その時に「ウソ・ウグイス問題」と言われた課題が挙げられていたのを思い出した。「ウグイス」は、「鶯」から更に変換していくと「鴬」とも出てくる。冠部分が「火火」でなく「ツ」なのだ。これは、当用漢字表を策定するときに冠部分の字体(旧字体)を簡略化した時のルールに従ったものだ。例えば「栄」の旧字体は「榮」。「蛍」の旧字体の冠はいかにもという「火火」だった(今使っているIMEでは出て来ない)。一方、「ウソ」という鳥がいる。変換すると「鷽」。厄除けのための「鷽替の神事」の「鷽」である。この冠は「Eメメヨ」(笑)みたいな形だが、「学」の旧字体「學」、「覚」の旧字体「覺」などでわかるように「ツ」に簡略化された。「火火」も「Eメメヨ」も草書体では「ツ」みたいに崩されるから、そうなったのかなとも思う。ちゃんと草書体が読み解ける人ならよいが、私には鳥の声と同様、区別できない。字体を簡略化すると鴬も鷽も「鴬」となってしまって区別ができない。上記のような字体の簡略化は、それらが旁や脚に出てくると旧字体のままの場合がある(「攪乱」とか)。漢字は奥が深い。ワープロソフトが補ってくれて便利になったものだが、「蛍」のように旧字体が出たり、出なかったり。簡略字体もどうもしっくりしないものもある。昨日の報道にあった東大教授他への常軌を逸した接待は、とんでもない涜職(贈収賄)だと思うが、この「涜職」は全くしっくりこない。「読」や「売」は小学校時代から慣れているが、大学で習ったのは「瀆職」(旁は士四貝)。IT機器では環境(どういう字体を揃えているか)によって表示できたりできなかったりする。さて、この記事をブログに投稿したときに上記の旧字体はちゃんと表示されるのだろうか。